アフターゴルフの王道、焼肉はあの秘密基地にエスコート！
女子を特別扱いでモテなすのが大人ゴルフの真骨頂

「ようやくラウンドデビューしたので、是非連れてってください❤︎」と西麻布のバーカウンターで上目遣いにおねだりされたのは、2週間前。

社交辞令だと思っていたら、「いつにしますか？」というLINEが来て驚いたが、ゴルフの誘いだけは断らないのが信条。喜んでお供することに。

休みがシフト制という彼女に合わせ、ラウンドは優雅に平日ツーサム。初心者女子ということを考慮し、カート乗り入れ可能で距離は短く、比較的フラットなコースをチョイスした。

キャディを頼まず手取り足取り面倒をみる、なんてことはあえてしない。プロフェッショナルに委ねたほうが、こちらもイライラしないで済むし、相手が恐縮することもない。これは、長くゴルフをやっているうちにたどり着いた結論だ。

そしてそれは、焼肉も然り。
中途半端な焼肉奉行を披露するよりも、プロフェッショナルに身を委ねて、絶妙な焼き加減でいただく方が正解なのだ。

だからこその『焼肉　いぐち』である。

中目黒駅前に車を停めて、徒歩１分。アンティークの赤いポストだけが唯一の目印である、マンションの1階。看板も店名表記も無い鉄扉を開けると……、目の前に広がるのは白木のコの字カウンター。

「え⁉︎　お寿司？」と思わせて実は焼肉、というサプライズに始まり、店主が肉一枚一枚を丁寧に火入れしていく、“自分で焼かない”スタイルに彼女は目を輝かせる。

アラカルトといっても、1人前をシェアするのではなく、肉は1枚ずつオーダー可能。好きなものを好きなだけ、それも完璧な火入れの状態でいただけるのだ。

これこそゴルフのラウンドで、キャディをつけて回る安定感と似ているのかもしれない。

「こんなの初めて！全部お任せします」という彼女からのパスを受け、アラカルトではなく、20品のおまかせコースをオーダーした。

店構えとその雰囲気に圧倒されていた彼女だが、サラダ、ナムル、キムチと続く前菜を少しずつ口に入れるうち、リラックスした様子。コースの前半のハイライト、本日仕入れの肉10種を食べ終わる頃には笑顔になった。

話題は当然、今日のゴルフについて。「下手すぎて何から頑張っていいものか…」と悩む彼女に、「上手くなるまで何回だって付き合うよ」なんて、本音がこぼれる。極上の肉と赤ワインの組み合わせに、少し酔ってきたようだ。

そんなタイミングで運ばれてきたのは、コースの最後に供される肉鮨3貫盛り。「ザブトンの握り」のほか、とり鮨、 生ハム鮨で贅沢に締めくくる。

「メニューにあったガーリックライスも気になったので、絶対にまた連れてきてくださいね！パターも、練習しときます♥」

二軒目に行くにも余裕のある時間だったが、今日のところは彼女をタクシーに乗せる。

次回は、二軒目にあのバーがいいだろう…そんなことを考えながら、帰路につく。初めてのツーサムなら、一軒でサクッと終えるのも大人の流儀だ。